それから。

失敗登山が何度かつづいていたので、今回の大キレットは本当に楽しかった。最終日はすこし雨に降られたものの、おおむね天気には恵まれた。あとで振りかえってみると、初日は8時間くらい歩いているにもかかわらず、トイレも含めた休息が合計で17分しかなかった。ちょっと可笑しい。

北穂の山頂では雨水を1リットル買った。消毒された水道水など夢のまた夢。雨水や雪解け水、沢の水で喉の渇きを潤す。だが、東京に戻ってくると水道水は飲まず、「南アルプスの天然水」やら「クリスタルガイザー」を普通に買う。このギャップは何なのだろうか。

日々の生活では命の危険を感じることはない。でも、ひとたび3,000mの稜線に登ると、ほんのちょっとしたミスが落石につながる。「ラク!、ラク!」という怒号は落石を意味し、下を歩いている登山者は石の軌跡を瞬時に察知して、避けなければならない。あたれば死ぬ。普通ならありえないリアル罰ゲーム。

風呂に入れないし、歯磨きもままならない。これに加えてリアル罰ゲーム。どうして人が山に入るのかがいまだよく分からない。ウォシュレットや快適な西川の布団とかアーロンチェアをなげうって、ぼくはなぜ山に登るのか。答えのない問いをずっと自問する日々。Life is beautiful.

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大キレット?

3,000m峰を1日で5つ踏むという夢の旅。

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達成してみたものの、それが正しいことだったのか。よく分からない。

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大キレット

槍も穂高も、もはや興味がない。ただ、槍から穂高まで縦走すると、3,000mのピークを5つ踏むことができる。人はなんと強欲にできているのか。1回の山行で3,000mのピークを5つ。そして西農鳥岳を踏めば、本邦の3,000m峰はコンプリート。明日は3時に起きて上高地にはいる。槍、大キレット、穂高。吊り尾根、岳沢、そして上高地。天気はピーカン。ただ、自分がどうしてここを歩きたいのかはよく分からない。

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